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人材育成

極東精機製作所は近年、人材育成に力を入れており、数年前から近隣の高等学校からインターンシップを受け入れいます。インターンシップを受けた生徒が卒業し、そのまま極東精機製作所に就職した事例もあります。今回、中でも東京都立六郷工科高校と連携して行っている「デュアルシステム」の一例を、雑誌「BigLife21」で特集された記事を元にご紹介いたします。

極東精機製作所でのデュアルシステム実習例

デュアルシステム導入を始めた3年前に、実習生採用に成功した極東精機。現在3年生となる岡本君も、卒業後には就職を希望するなど、その実習スタイルが受け入れ生徒から高い評価を得ているようだ。

では実際の実習での様子はどのようなものか。記者が半日密着し、その秘訣は何か探った。

実習生&指導担当紹介

実習生と指導担当

武田君(左)

六郷工科高等学校3年生。2年生から極東精機で実習中。「作業も大分覚えてもらっているので、任せられるところも多い」と社長も太鼓判!卒業後には同社へ就職の予定だ。

媚山君(中央)

六郷工科高等学校2年生。1年生から極東精機で実習中。単純作業も嫌がらず、意欲的に取り組んでいる彼も、実習当初はまた違ったようで…?!

指導担当:鈴木亮介

実は指導担当の鈴木亮介さんは、鈴木社長のご子息。只今営業・加工・人事とあらゆる仕事を一手に引き受け奮闘中の未来の3代目社長だ。 実習生たちとはお互いに「たけちゃん、こび」「亮介さん」と呼び合う。まさに頼れる“お兄ちゃん”的存在である。

タイムスケジュール

出社

この日の東京は季節外れの雪。寒い中にも関わらず、実習生たちは元気そのもの。遅れることなく出社し、記者を出迎えてくれた。

朝礼

作業員全員が集まったところで朝礼。もちろん実習生たちも一緒に参加し、話をきく。実際の現場ではどのようなことが問題となっているのか、何が注目されているのか。彼らも興味があるようだ。

作業開始

デュアルシステムの実習内容は各企業に一任されているが、ここ極東精機では実際の製品づくりに参加するのが基本。その日の作業から、都度実習生たちに手伝ってもらう“実践形式”だ。

実習生の一人である3年生の武田君は、本日は銅製品の加工手伝いに挑戦。指導担当の鈴木亮介さんが、最初の1つ、2つを一通り加工して見せた後に、それを真似するかたちでNC旋盤へのセットや、ケバとりなどの簡単な加工を行っていく。

「銅は粘っこいから、気を使わないと駄目だよ。」「セットの順番はこう。」

抑えるべきポイントを簡潔に、分かりやすく説明する亮介さん。その一言一句も聞き漏らすまいと、武田君は真剣に聞き入っている。

旋盤が回っている間も、異音がないか、削りカスが溜まっていないかと常に注意を配っていた。

中休み

作業の合間に一休み。周囲で働く従業員さんも気さくに実習生たちに声をかけ、交流をはかる。

作業再開

一方もう一人の実習生である媚山君はバリ取り作業を担当。その数は実に1000個以上。ライター大ほどの鉄製品を手にとり、四辺を研磨機でさっと削り、手で感触をチェックして納品するを繰り返していく。単純ではあるが、根気と集中力がいる作業だ。

辛さは感じないか、と思わず聞くもまったくと答える媚山君。「1000個くらいならまだ少ないです。5000個くらいのロットのバリ取りも以前には経験しました。」とにっこりほほ笑む。その表情は一端の職人といったところだ。

昼食

昼食は実習生・社員ともに同じ時間に・同じ場所でが基本。自然と教育担当以外の社員と実習生たちも会話が始まる。こうして親睦を深めることで、実習生たちも安心感を得、将来働くイメージを抱くのだろう。

※午後からは、13時:作業再開、15時:中休み、15時15分:作業再開、17時:終業…と続く。

極東精機を選んだ理由を実習生にインタビュー

武田君

武田君

僕はもともと電気科の専攻で、機械加工の技術や知識は決して詳しくありません。今日のNC旋盤の扱い方や簡単な設定方法、金属の仕上げ方のコツはほとんど全て指導担当の亮介さんに教えてもらって覚えました。 六郷工科では2年次に、電気か機械加工か専攻を決めなくてはいけません。本当は両方とも勉強してみたいという気持ちがあったので、専攻決めの時はすごく悩みました。それでも電気を選んだのは、1年生の実習中、機械加工の企業で実際に作業をした時にうまくいかなかったから。自分には機械加工は難しいんだと思っていました。その時はちょうど真冬で、金属を触っているうちに手があかぎれだらけになってしまって……。正直、辛いなって感じてしまいました。 ほかにも色々あって、2年生の実習先をどうするかギリギリまで決めることができませんでした。先生にもずいぶん相談して、それならと紹介してもらったのが極東精機さん。すぐに見学に行って、「ここで実習を受けよう」とその場で決断しました。 あんなに悩んでいたのになぜか、と聞かれると難しいんですけど……亮介さんと話していて自分もやっていけそうと思えたし、やっぱり機械加工をもう一度やってみたいとどこかで思っていたのかもしれないです。 なにより極東精機さんでの実習は楽しいです。亮介さんも、周りの社員さんたちも、とても親切に教えてくれます。でも今は分からないことも多いし、失敗して他の社員さんに迷惑をかけてしまうこともあって、本当に申し訳なく感じています。早く技術を身につけて、皆さんの役に立ちたいです。

媚山君

媚山君

僕は1年生の時から、極東精機さんで実習を受けています。兄の友人が働いていることもありますが、何より「ここでしか作れないものがあるんだ」と感じるのが志望理由です。僕は職人になりたいし、他の工場ができない加工ができるなんて、かっこいいと思いました。 実は僕、1年生の実習では大失敗をしています。幸い怪我はなかったんですけど、うっかり工具の刃を折ってしまったんです。亮介さんにも、社長さんにも、学校の先生にもすごく怒られましたし、悔しかった。でもそれで逃げたらやっぱり情けないじゃないですか。だから絶対2年生でもここに来て、皆を見返してやるって思っていたんです。 就職についてはまだ分かりません。でも極東精機さんで働きたいなという気持ちはあります。だから一生懸命頑張りたいです。

ハローワーク、外国人研修制度、デュアルシステムまで - 鈴木社長に聞く、若き人材育成への道

鈴木社長

多くの町工場が抱える最大の問題がいかに優秀な人材を確保するかでししょう。こと旋盤屋については、いわゆる“3K“といわれる面もあり、それこそバブルの時から人材育成は大きな課題の一つでした。ハローワークや仲間内のツテで集まる職人は、即戦力としての経験はあるのですがやはり年齢も上で、定着しにくい。そこで頼りにしていたのが、若い外国人労働者です。ちょうどその昔は、大田区にもバングラディッシュ人の出稼ぎ労働者が多く滞在していました。 ただし彼らの中にはオーバーステイをしている者も多く、これが問題となって、ちょうど石原元都知事の時代に徹底して取締を受けるようになりましてね、さあどうしようかという所で次に始めたのが外国人技能研修制度です。 特に注目したのは中国人技術者たちですね。外国人技能研修制度が始まったその当初、中国の技術者養成学校を何度も訪れましたが皆目がキラキラとしていました。「日本へ行って、頑張って技術を覚えて稼ぐんだって」夢がありましたよね。 ところがだんだんと日中間での賃金さも無くなり、中国でも技術者がダブついてくると風向きが変わってきます。なにより雇用期間が最大3年という制約が厳しい。研修生候補は一定以上の能力がある子を選定することができますので、即戦力として活躍をしてくれますが、それでもウチのやり方を覚えてもらうまでには時間がかかります。技術を得て、言葉の壁も乗り越えて、さあこれからというタイミングでいなくなってしまうんですから、これは大変な損失ですよ。 研修期間中は衣食住もすべて企業持ちですからコストもかかります。日本人より外国人を雇った方が安いというイメージを持たれがちですが、実際はまったく逆なのですね。 その上手塩にかけた研修生たちの行く末も厳しいというのが実情です。中国や上海などの都心部で働くことができるのは、ごく一部の都会生まれの人だけ。貧しい農村部から出てきた労働者たちは、中国でもかなり劣悪な環境で働くか、東南アジアなどで働くかが精一杯。せっかくの技術を活かせないというケースも多い。本当にもったいないことだと思います。 この雇用期間が実質5年まで延長されれば、色んな意味で私たち日本の企業にとっては楽になると思うのですが、こういったものには色々なしがらみがありますからね、どうなることか……。 ですから本当のことを言えば、やっぱり日本人の若い子を雇って一から育てたいんです。そこでデュアルシステムがどれほどの機能をしてくれるのかはまだ分かりません。それでも、5年後、10年後に1人でも若い子が職人として残ってくれたらこれほど嬉しいことはないですよ。亮介も今それを目指して頑張っているのだと思います。年配の職人たちを中心に、どうにも学生さんを可愛がりすぎていやしないかと思う時もありますがね、でもやっぱり我々年寄りがいうのと若い者同士で教え合うのはやはり違うものですね。学生さんたちも楽しそうにしています。特に媚山君は本当に良い方向に変わりましたね。一番最初の時にはやる気があるのかどうか、一目では判断できなかったほどなのに、今は単純作業でも愚痴一つ言わずに真剣に取り組む。これは学校の先生方のご指導もあってのものだと思います。本当に良い先生たちですよ。 さてこれからの若い子たちに求めることですが、思い切り自由にやってほしいですね。こういった技術職というのは、なにかと知識と経験が重要とされがちですが、時にはそれが重しになります。 以前に仲の良い企業から、とある超合金素材の加工を依頼されたことがありました。もちろん通常の刃ではまず通らない、どの工場もそう考えていましたし、私たちもどうしたものかと考えあぐねていました。すると何も知らない若い職人が「こんなの簡単ですよ」なんて言って、普通の刃でばばっと削り始めたんです。そうしたらうまくできちゃうんですね。同じように職人たちが削ろうとしたのですが、いかんせん恐怖心があるのかうまくいかなかった。変な知識や思いこみがないからこそ、できることって本当にあるのですね。次はどんな驚きを見せてもらえるのか、考えるだけで楽しみですよ。

取材記者のコメント

町工場の中でもとかく苦労が多いのは、旋盤・機械加工屋ではなかろうか。

 “割の良い” 大量生産品の製品加工は海外で行うことが当たり前となって久しい今。町工場に回ってくる仕事といえば、短納期・小ロット・おまけに難易度が極めて高いものがほとんどだ。無論、長引く不況とコストカットの時流を考えれば、無理な価格交渉も難しい。この傾向がとくに強いように思えるのが、冒頭の2業種なのだ。

当然ながら人材確保のハードルも上がる。手早く・無駄なく・効率よく作業を進める知恵と技術ある職人なんて滅多にいない。育てたくても若い人も集まらない。それならばと外国人研修制度を導入しても3年後には帰国してしまう。骨折り損のなんとやら、これが本音だったのではないか。

「世の中何があるかはわからない。だからデュアルシステムがあれば安心とも、現状が変わるとも思わない。」極東精機製作所(以下、極東精機)の鈴木健一社長は断言する。けれども、だ。

「けれども、デュアルシステムを通して入った若い子たちが、1人でも2人でも会社に残ってくれて、職人として育ってくれればと心から望んでいます。」と言葉を続ける。

極東精機がデュアルシステムを導入してから3年。初年度にやってきた実習生は今も同社で活躍を続けている。鈴木社長の希望が実現する日は、まもなくだ。

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